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「………ふぅ……図書室行こ…」
そして本を借りた。……本当はそのまま帰りたいけど、約束を守らないと後が怖いので、仕方なく家の近所の公園に向かう。数分前に、春から"待ってる"ってラインが届いてた。
「秋!遅かったね?」
「ご、ごめんなさい……どの本にするか迷っちゃって…」
公園の入口に立ったとたん、春が走って来た。するりと頬を撫でられる。
「いいのよ。秋が無事なら。最近物騒だから心配なの。…秋は私みたいに格闘技とかできないでしょう?」
「うん……」
私は運動音痴なのだ。お腹の中で、運動の才能は全て春に取られてしまったのかもと思う。
「あ、そういえば……明日、みんな用事があって一緒に帰れないんですって。だから、明日は一緒にケーキ食べに行かない?久しぶりに2人きりよ。」
「ん……それなら行く。」
「秋は本当に男の子が苦手だねー。」
いや、別に男子が苦手な訳ではない。春の取り巻きが苦手なだけだ。
「春、早く帰ろ。お母さんがご飯待ってる。」
「ん、そうね。帰ろっか。」
その後、春の押しに勝てずに一緒にお風呂に入った。身体は、もちろん春の方が引き締まっている。体重も、春の方が筋肉があるので少し重たい。
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