姉と私

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次の日、移動教室で廊下を歩いていると、数人の女子に囲まれた。 「ちょっと!菅原さん!」 ………あぁ、春か。 「………えっと…姉に、何かご用ですか?」 「えっ!?……あっ!?ご、こめんなさいっ!」 「いえ、いつもの事ですし。大丈夫です。」 安心させるために、小さく微笑んだ。 「こ、これ……お詫びに…」 と、女子が大抵持ってる小分け菓子をいくつかもらった。……カントリーマ○ムとエンゼル○イミニ……ゲットだぜ。 「じゃあ……ごめんなさいね。」 「いえいえ。」 彼女達が去ると、誰にもバレない様に小さくため息を吐いた。……いい加減、春は私と見た目をそっくりにするのを止めて欲しいと思う。昔から、私が髪型を変えるたびに同じ髪型にしてきて、細かい持ち物まで全く一緒なのだ。(…言いづらいが、私服や下着まで。)さらに私達は一卵性の双子で、見た目に大きな差はない。……そりゃあ間違えるって。 「あ、やばい。早く移動しないと……」 唯一の救いは、春と違うクラスだっていう事くらいかな。 「秋ー!帰ろ!」 「うん。…何処のお店にするの?」 「駅前に、新しいカフェができたんだって。そこ行ってみない?」 「ん。」 私達は、約束通りに2人きりでケーキを食べにきた。私がフルーツがたっぷり乗ったケーキで、春はチョコレートがこれでもかと塗りたくられたケーキ。こういう所は少し違う。春は、甘いのは極限まで甘く、辛いのは舌が痛くなるくらいまで辛いのが好きなのだ。いろいろ極端である。 「おいしいね。」 「そうだね。」 「ふふ……秋、ほっぺにクリームが付いてる。」 春が、彼氏が彼女にやるみたいに指で拭って、その指を舐めた。 「もう……周りに人がいるのにやらないでって言ってるでしょう?」 「秋が可愛いからいけないの。…さ、早く食べよ。」 その後は、ほとんど春が取り巻きの男子について話して私が聞く、という形だった。これが日常だ。
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