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ケーキを食べた帰り、道を歩いていると、いつもの公園に変な落書きがしてあった。
「見て、秋。あんな所に落書きがしてある。」
「………春、あれ、ちょっと見てきてくれない……?」
おずおずと、でも興味深いといった風な声で頼むと、こういう時に姉だという所を見せつけたい春はまんまと乗ってくれる。
「良いよ。でも、私もちょっと怖いから近くまで一緒に行かない?秋は私が守るから。」
「分かった。」
私達は、春を前にして少しずつ落書きへ近付いた。………あれは!
「魔法陣………」
「魔法陣?何それ?」
春は私と違ってあんまり本を読んだりしないから、知らないみたいだったので、簡単に説明する。
「あれは魔法陣って言って、ファンタジーの世界で魔法を使う時に使ったりするの。特に、大規模な魔法の時に使うのよ。」
「へぇ………じゃあ、これも何か魔法が発動するの?」
「うーん……現代では、魔法は無い物っていう論が一般的だよ。だから、ファンタジーに多いの。」
「発動しないんだ………」
「でも、こんなに細かくて大きいの書くの、大変だったと思うよ。少しでも歪むと、魔法が発動しないんだって。」
「へー。」
警戒を解いて、2人で魔法陣に近寄って触ると、魔法陣が急に光って飲み込まれた。
「「………え?」」
よく分からないけど、光の渦の中に放り出されてた。
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