現実

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「フィク・・・・もう来なくていいよ、客の注文を間違えるなんて、問題外だよ」 「はい・・お疲れさまでした・・・」 俺は、そのまま家に帰ることにした。 嫌なことがあった時はいつもと違う道で帰っている。 今日は、田畑しかない道、反対側は木が生い茂っている林。 夕日が田んぼの水を照らしてきれいに光っている。 いつもより気分が重い・・。 友達とふざけあってる時はとても楽しいのに、それが終わった瞬間すべてが嫌になる。 死にたいとは思わない。 だけど死んでも構わない、とは常々思っていた。 なんで宿題しなくちゃいけない なんで就職しなくちゃいけない なんで決められたことをしなくちゃいけない なんで・・・・・・・・・楽しく生きられない。 そう考えてるうちに、何故か涙が出てきた。 「・・・あ、あれ、俺、別に泣かなくったって・・・」 制服の袖で涙を拭くと、少し強い風が吹き、数粒の土が目に入った。 「痛っ!っもう!」 ハンカチを取り出して、目の土を取ろうとした瞬間、今度は、耐えられないほどの強風が吹いた。
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