君の匂い

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『うぅ。体が動かない』  親が置いた洗濯物が近くにあったストーブに引火して火事になった。 俺は一酸化炭素中毒で体が動かなくなった。 ゲホゲホ 『あー。俺死んじまうのかな。』  10歳という歳だったがそれくらいの知識はあった。 「大丈夫!!」  どこからか声が聞こえた。俺は体を少し動かしてその声の主を見ようと思った。でも、体は見えるのに顔は見えなかった。  真っ黒になった服。ボロボロになった服。なんで、そーなっているか分かんない。 「逃げるよ!!」  俺はおぶられて外へ出された。俺はこの人に助けられたみたいだ。 「大丈夫ですか!!?」  大勢の人の声が聞こえる。俺を助けてくれた人は誰だったんだろう。 ゆっくりとあたりを見まわしたが誰かは分からない。俺はゆっくりと目を閉じた。  その後、目を覚ましたら病院の天井だった。 ゆっくりと周りを見渡すと、看護師がいた。  その後、いろんな人から情報を仕入れたが俺を運んでくれたのは同じくらいの身長で女の子だったらしい。  ゆっくりと記憶が戻ったが微かにその女の子からミントみたいな匂いがしていたのは憶えていた。
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