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あの火事から6年後。火事にあった張本人の俺は高校生になった。
火事の日、家には俺しかいなかったから被害は俺だけで母さんと父さんは助かった。そーいや、病院で抱き着かれ大泣きしていた両親の姿を今でも覚えている。
でも、俺を助けてくれた女の子の正体は全然つかめなかった。
「おーい!!翔太」
あ、忘れてた。俺の名は福田 翔太(フクダ ショウタ)16歳。
目が悪くなって今は眼鏡を使用。ここ、正東高校に通っているごくごくふつーの奴。変わっていると言えば、校則違反のピアスをしてしまっている事。
そして、10歳前の記憶がないのと体中になんかの痕がある事。
チャリンコをこいでくる男子生徒。奴の名前は織田 健太(オダ ケンタ)
こいつもごくごくふつーの男だ。
「おー。健太。おはよー」
「おー。おっはよー。」
いつも通りの挨拶。中学もこんな感じだった。今日は、今までと違う。
高校の入学式だ。正直、この正東高校はこれまたふつーの学校で県で言ったら真ん中の頭を持つところだ。俺と健太は一緒に高校を過ごしたいからふつーの所を受けた。そしたら、二人とも無事合格し入学する。
でも、俺は知らなかったんだ。ここで、6年前のあの女の子と再会するなんてこの時はこれっぽっちも思っていなかったんだ。
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