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所長の隣にりくのデスクが用意された。
そこに座ったりくは堂々として『若きエース』の風格たっぷりだ。
(この人とは何かある)
直感的にそう感じていた。
(何だろう?)
(一目惚れ…ぇ?)
まさかね。
まだ一言も言葉を交わしていないし、視線すら合っていない。
それなのに気になる。
「……!」
「……さん!」
「林さん!」
「は、い?はい!」
「契約書出来ました。不備は無いと思いますけど、よろしくお願いします。
…珍しいですね、
林さんがぼんやりしているなんて」
新人営業員の太田さんが、うれしそうに契約書を持ってきた。
「ぼんやりしてました?ごめんなさい。
契約おめでとう。がんばったんだ」
遠くをじっと見つめ、立ち尽くす太田さんに声をかけた。
目線の先には、所長と打ち合わせをするりくの姿がある。
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