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『沢の亀』
伊藤歩(いとうあゆむ)は、昨日買ったばかりの真新しいスマートフォンを操作していた。
ガラパゴス携帯…俗に言うガラゲー
ガラゲーに比べるとスマートフォンは操作し難い。
歩はそう思いながらも、真っ黒に輝くスマートフォンを凝視する。
「…これでいいのかな?」
歩は、女の子のように小首を可愛らしく傾げる。
「…よし大丈夫そうだ。出来てるな」
歩はスマートフォンの画面をタッチし、サークル検索という画面を表示させた。
『お笑い』
検索項目にそう入力すると、画面には様々なサークルと呼ばれる物が表示された。
「…キング商店…三千四百二十三人…」
歩は、参加人数が三千人を超えるキング商店というサークルに参加することにした。
『病院』
『ナルシスト』
『脅し文句』
キング商店には、色々なトピックスと呼ばれる物があった。
歩は『脅し文句』のトピックスをタッチする。
『こんな脅し文句は恐くない』
トピックスの画面にはそう書かれてあった。
画面を見つめ、スクロールして行く歩の指先が止まった。
『けつから手突っ込んで奥歯ガタンゴトン言わしたろか!?』
「はははっ!がはは!」
歩は思わず吹き出した。
「おもしれー!…サブコ…女かな?」
『こんな脅し文句は恐くない』の問い掛けに対して、『けつから手突っ込んで奥歯ガタンゴトン言わしたろか!?』と答えたサブコなる名前の横には、可愛らしい女の子のイラストが表示してある。
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