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「その通りです。今からするお話は、その24日から25日にかけて起こった、ちょっと不思議なお話です。まぁ私が知ったのはクリスマスの翌日なんですけどね」
「何かロマンチックな香りがするお話っすね」
「その顔でロマンチックぅ? 竹下、お前には似合わん言葉だな」
「ふふ、これからのお話は確かに少しロマンチックかも知れませんね。確かあれは24日、イブのお昼くらいのお話でした。
家で本を読んでいると来客があったんです。出てみると外人さんがいて少しびっくりしました。向こうも少し驚いていましたけどね。
その外人さんはエドガーと言う男性で、その日に私の家の右隣に引越して来たようだったんです。特殊なバスケットボールプレイヤーで、ある意味、仕事の関係で海外から越して来たみたいです」
「私はお休みを頂いていたのでその紳士にはお会いできなかったんです。杏里お嬢さんから、『クリスマスイブに外人さんが来た』 と聞いて最初はサンタクロースかと思いましたよ」
「もう、言葉足らずだったのは謝るから許してよ蘭さん。それでそのエドガーさんは、いわゆる引越しの挨拶をしてたんです。
凄く好感の持てる方でした。『縁もゆかりも、知り合いもいない土地に来てしまいましたが、お嬢さんみたいな方がお隣で良かった。
一つお聞きしたいのですが、私の家の正面のお宅はどなたかお住みですか? 今からご挨拶に伺おうと思うのですが』 と仰っていました」
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