断話2
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氷の冷たさを厭う事なく、姉は必死に手を伸ばしていた。 幾筋もの亀裂が入った不安定な氷上に膝を着き、水中でもがく私を救おうと身を乗り出していた。 何故姉の手を取ってしまったのだろう……。 八才の少女の力で、水を含んで重たくなった子供を引き上げるなど、出来ようはずもないのに。 何故私はあの時、その手を掴んでしまったのだろうか。 そして何故助かろうなどと考えてしまったのだろうか……。
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