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「やれやれ……、噂通りのとんだ乱暴者だね」
嘆息交じりの愚痴を零し、ギヴァレーは億劫そうに立ち上がった。
服に着いた土を払って、乱れた髪を素早く撫で付ける。
「――さて、私にこんな仕打ちをしたからには、当然覚悟は出来ているんだろうね?」
口端を歪めて悪辣な笑みを形作ると、レオニールに向き直った。
やはり、何もなかった事にはしてくれないようだ。
予想通りの展開に、私は思わずレオニールの腕を掴む手に力をこめる。
しかし硬直する私とは対照的に、レオニールはギヴァレーの恫喝をふんと鼻で笑い飛ばした。
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