第6話

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「義妹が変質者に襲われかけていたから、助けただけです。咎めを受ける謂われはないですね」  平然と返す。 「――ほほぅ。私が変質者に見えると……?」 「裏庭に来たら六才の幼女に接吻せんばかりの勢いで覆い被さっている男がいましてね……? それを見たら誰だって変質者だと勘違いするでしょう?」  こめかみを引き攣らせるギヴァレーに、いけしゃあしゃあと反撃した。  こいつは本当に九才児なんだろうか?  実年齢は知らないが、二十代後半くらいとおぼしき大人のギヴァレーと、対等に渡り合うレオニールに私は驚きを隠せないでいる。  レオニールの見た目は種族的な差異だけでなく、十二~十三才くらいに見えた。  それは恐らく、容赦なく大人である事を求める環境のせいだろうが、中身は間違いなく九才の子供であるはずなのだ。
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