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翌日、私はレオニールを伴って義父の書斎を訪れた。
ギヴァレーとの一件が気に懸かっていたからだ。
昨日の内に既に報告を受けていたのだろう。
義父は私の顔を見るなり 「面倒な事になった」 と渋面で漏らす。
ギヴァレーから正式な抗議文が届いたらしい。
「先方はレオニールの無礼を不問にする代わりに、セシリアとの養子縁組を打診して来た」
白い物の混じった茶金色の髪を撫で付け、逞しい体躯を詰め襟の上衣に包んだ義父は、四十絡みの紳士だ。
ロマンスグレーとは正に彼の為にある言葉だろう。
眉間に刻まれた深い縦皴も、義父にはよく似合うと思ってしまう。
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