第6話

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 手放しで褒めてやりたい。  その衝動のまま、レオニールの手を取った。 「助けてくれてありがとう!」  潰れた剣ダコでいびつな掌を両手で包み、心からの感謝を伝える。  するとレオニールは一瞬、虚を衝かれたような顔をした。 「セシル……」  しかし直ぐに目許を和らげると、 「セシルぅううう!」  がばりとばかりに上から覆い被さって来る。  私の背に腕を回し、渾身の力で抱き締めた。  ミシミシゴキッ! 「ぷぎゃっ!」 「放しなさいレオっ!――セシィが白目だからっ! 死んじゃうから!」  私の背骨が奏でる終焉の音を合図に、また急速に意識が遠退いて行く。  義父の悲鳴とレオニールの狼狽した声を聞いたのを最後に、そのままぷっつりと途絶えたのだった。
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