断話2

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 お姉様、助けて!  冷たいよ! 死んじゃうよ!  大丈夫よエドモンド!  私が今助けてあげるから!  割れた氷に足を取られ、咄嗟に氷上に手を着いた。  しかしあろう事か、着いた手の下の氷がまた割れる。  あっと思う隙もなく、私は銀盤の裂け目から真っ逆さまに転落した。  真冬の湖の水は心臓が縮み上がる程に冷たく、私は必死に姉に救いを求める。  何度も自力で這い上がろうとしたが、濡れた氷に手が滑った。  助けて! 助けて!
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