第一節

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 剣士がいた。  唐突に何を語り出すのやらと呆れられるのは慣れているから、まぁ聞くだけ聞いてくれ。  あるところに剣士がいた。  ソイツは恐ろしく強いヤツだったんだが、誰にも従わず、誰も寄り付かせない、要は一匹狼だったんだ。  ……お! 聡明なお人だ、そう、その通り。  "だった"なんだ。  これから始まる話は、そんな一匹狼"だった"ある剣士の冒険譚なんだが、まぁ多分どこにでもある話だ、興味が無ければ帰ってくれていい。  ……………。  ……………。  ……………。  ありがとうよ。  あんた良い人だな。  じゃあ話を始めようか。  まずは、そんな剣士が生まれた世界について、少しばかり語らせてもらうよ…。
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