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青年は眉を寄せ、その間に深いシワを作りながら首だけを後方に向ける。
言葉はなかったが、その顔は誰が見ても明らかに「五月蠅い」と語っていた。
「何その顔!? 何そのウルサいなって言いたそうな顔!! コッチはいきなり剣突き付けられてメチャクチャ怖かったんだからね!? 謝るとか謝罪するとかお詫び申し上げるとかしても良いんじゃないかな!? むしろするべきじゃないかなぁ!!?」
そんな彼に対してまさに怒涛の勢いでまくし立てる獣耳の彼女。
目からは涙がボロボロ零れ落ちて、身体は先ほどよりも震えが増している。
まぁ、いきなり剣を突き付けられたのだから、彼女の反応は当然のものなのだろう。
しかし、そんな彼女の反応を見たにも関わらず、彼の反応はどこまでも静かだった。
ただただ、彼女の言動の一つ一つを見て、聞いて、そして…。
「……………――」
小さく溜め息をついて、再び踵を返すのだった。
「ちょぉぉ~~~~!!!? えぇ!? まさかの無反応!? 溜め息が反応とかアタシ認めない!!」
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