神様に、ありがとう。

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お皿を洗い、布巾で拭いていると『まことせんよう』と書かれたふりかけや、熊や戦隊物のコップなどが目に入ってくる。 それが、可愛くて自然と顔が綻ぶ。 水樹さんと真くんの存在があちこちに見え隠れするこの空間。 ……私もいつか入っていいのかな。 そう考えると少し切なくなった。 「水樹さん、終わりまし……」 パタパタとスリッパの音を響かせていたのを止め、脱いて水樹さんのそばに近寄る。 リビングのソファで、ネクタイを脱ぎかけたその手のまま。 ――水樹さんは気持ち良さそうに眠っていた。 やっぱり疲れてたんだ。 近くには、真くんのお昼寝用のタオルケットしか見当たらない。 バサっと広げたタオルケットは、柔軟剤の良い香りがする。 それを水樹さんにかけて、ネクタイを起こさないようにゆっくり手に取る。 せめてネクタイだけはほどいてあげたいんだけど、 分からない。 どうすれば良いのかも分からない。 ぐしゃぐしゃになったネクタイをどうすれば良いのか苦戦していたら、『ククッ』と声が聞こえてきた。 「俺、今襲われてんの?」
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