プロローグ

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バイクが向かった先。 大分県民なら知らずと知れた温泉の観光名所、別府。 泉都とも呼ばれている 山の方からは、もくもくと白い湯気が出ている。 観光に来るならば、三日かそこらだから、きっと快適に過ごせると思う。 海沿いにも、温泉の近くにも、ホテルや旅館はいっぱいあるから。 ただ、住むとなると車は欠かせない。 坂ばかりの別府は、斜面に学校やマンションが建てられている。 私も学生時代は、朝は坂を登らなくてはならず、苦痛だった。 もう少し海沿いの平野のマンションを買ってくれたら良かったのに、安い土地付き戸建てに飛びついた親が憎い。 自転車は行きは押して、帰りは乗って、で面倒臭かったので、最終的には乗らず、遅くなったら迎えに来て貰っていた。 侑哉は市内の高校だったから電車通学だったけど。
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