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「松本くーん」
甲高い声が駅のホームで鳴り響いた。
声がするほうに松本冬哉が振り返ると、同じクラスの女子が三人手を振りながら走り寄って来た。
冬哉はチラリと腕時計に目をやる。
六時半を過ぎていた。
二駅先の本屋で文庫本を物色しては立ち読みをし、それを何度か繰り返していたら、気がつけばこんな時間になっていた。
女子と言う部類は、男子とは違い、意味のないことをしゃべり続けるという特徴を持っている。
振りかえったことを少し後悔した。
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