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勇者(国は他ならぬ民のもの。)
勇者(俺は民の想いを受ける器であるべきなのだろう。)
勇者「俺が創るのではない。皆で創るものだ。」
勇者(ならば、俺に出来る事はまず民の声を聞く事だ。)
勇者「悩むのはここまでだな。」
勇者「皆の元に戻ろう。何も言わずに出てきてしまったからな。」
ザッ
勇者が心を決め振り返るとその先に鈍い光が見える。
それは徐々に人の形を成し、光がゆっくりと消え、漆黒の甲冑を纏った騎士が姿を現した。
黒騎士「・・・」ガシャン ガシャン
鉄が摩れ合い地を踏み締める足音と、全く隠す事の無い禍々しい殺気が、真っ直ぐに勇者へと向かう。
一歩一歩と近づくに連れて張り詰める空気。
流れる汗の音すら聴こえてしまいそうな静寂感。
勇者「・・・魔王軍の残党か。」カチャ
勇者が背中の剣に手を伸ばし、眼前の敵を見据えるや否や。
ダシャ
黒騎士が一気に詰め寄り、甲冑同様漆黒の剣を抜き、双方が一閃・・・
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