3話

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部屋の鍵を掛ける 今思えば不思議だ あの黒い箱を置いていった人物は 一体どのように足音を消したのだろう このアパートの階段は錆び付き、足を下ろす度にギシリと悲鳴をあげる 考えただけで寒気がした ブンブンと頭を振り考え直す 相手はただ俺の反応を面白がりたかっただけに違いない 俺がドアを閉めた後で階段を降りればいいのだ そう考えれば全くおかしいことではない そうだそうに違いない そんな風に思えば気が楽になった 我ながら調子のいいことだと思った
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