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サイコは嫌悪感を押さえているようだ。無表情にきく。
「ウルルクの生徒の尋問にはなにをつかったのですか」
柳瀬波光は第二皇女の前でもためらわなかった。あっさりという。
「わたしが直接担当したわけではないから、よくわからない。たぶん通常ならば、携帯型の発電機と自動車用のバッテリー、電極を何本か。それにペンチくらいのものだろう」
真夏の風が12月の北風のように冷えこんだようだ。タツオの全身に鳥肌が立つ。期末試験のために同じ部屋に集まって勉強していた3組7班に、過酷な運命が訪れたのだ。科学で学んだワットの法則を、実際に自分の身体(からだ)で痛感するようになるとは。サイコが不可解な顔をした。
「ペンチはなんに使うんですか」
焼いたペンチで柔らかな肉を潰(つぶ)し、引きちぎる。瑠子さまやサイコの耳に拷問法(ごうもんほう)など入れたくなかった。タツオはなんとか話を替えようとした。
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