第26話

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「柳瀬さんは今、実行犯は２名といいましたね。残る２名、スリランとリーはどうなるんですか」

「まだ継続して、取り調べ中だ。無実が確定すれば、また進駐官養成高校に帰ってくるだろう。だが、傷ものだな。一度疑いをかけられた。一生、保全部にマークされることになる」

　自白したという２名がほんとうに有罪なのかもわからない。無実だという２名も、進駐官として生きる限り、一生監視から逃れられない。

　総合運動会の狙撃事件は五十嵐高紀(いがらしたかのり)という死者だけでなく、つぎつぎと犠牲者を生んでいた。それもすべてタツオの命を狙った何者かのせいだ。タツオは叫びたかった。自分にはそれほどの価値はない。無力な東島(とうとう)の１年生に過ぎない。死にたくはないけれど、こんな形で周囲の人間が傷ついていくのを見ているのは、身を切られるようにつらかった。