雨の日は図書室に

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 放課後、僕は図書室にいた。 「本が好きだから、図書室の静けさが好きだから。」 というわけではなく、 「ただ単に傘を忘れて帰れなくなってしまったから仕方なく。」 というのもただの口実で。   実際はある人と会うためだった。 いや、会う、というと語弊があるかもしれない。 なぜかって言うと僕が勝手に会いに行っているだけだから。 ―――彼と初めて会ったのはまだ雨が自己主張をしていなかった梅雨入り前。 その日は遅刻しそうで天気予報なんて見ていなかった。そして運悪く放課後に大雨が降ってしまい、当然傘なんてもっていない僕は仕方がないので雨が弱くなるまでの暇つぶしをするために今のように図書室に行ったのだ。 その時、彼と出会ったのだ。
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