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『中野君、聞いてる?』
受話器からは今朝から修理するはずだった現場の担当者の苛立つ声。
「はい…申し訳ありません。
早急に部品を取り寄せます。
…手配等は最短で…
はい。申し訳ありませんでした…」
受話器を置いて、キャビネットからメンテナンス依頼書なるファイルを取り出して。
大股でカウンターまで歩く。
動かない弥生ちゃんの腕を引っ張り、自分の背中に庇って田中と向き合った。
「悪かった。最短納期で発注かけるから…」
「はあ?コイツにちゃんと謝らせろよ。部品間違えて届いてんだぜ。朝から現場はパニックだ。
今日の仕事がパアなんだぞ!」
田中の声がフロア内に響く。
「職人何人連れて行ったと思ってんだよ!部品間違えてゴメンじゃあ済まねぇんだよ!!」
不躾な田中の態度に眉間に皺を寄せた。
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