目覚める野獣女子

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◇◇◇◇◇◇◇Side.Yayoi. 「弥生ちゃんが責任を感じることなんて無いんだよ?派遣さんにこんなこと…」 黒の重心の低いミニバンのハンドルを握る真剣な横顔。 爽やかな香りのする車内、テンポ良くリズムを刻む最新Jポップ。 「日が長くなりましたね…」 中野さんの話を途中で遮るように窓の外を眺めた。 一人で行かせられないとか大丈夫だとか揉めてたら「じゃあ、二人で行けば?」と三上さんに背中を押されて、就業時間を過ぎて事務所を出た。 仕事終わりの程よい疲労感とまだ明るい二人だけの空間。 何かありそうな期待を忍ばせて、カーナビは最寄りの高速の入り口付近まで15分だと告げた。
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