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◇◇◇◇◇Side.Yayoi.
朝礼後に呼び止められて、課長の話に息が止まるほど驚いた。
ーーー昨日、中野くんが現場で倒れてね。
ーー命には別条ないから、心配はいらない。
まあ、彼は有給もたっぷり残っているし、しばらくは休むから。
フォローをお願いしますね。
今にも涙が溢れてしまう。
ここで泣いてたって何にも始まらないから。
アツシくんの営業補佐は私だから。
「はい。了解しました…」
鉛を飲み込んだみたいにお腹の奥底が重い。
全てをほっぽり出して、アツシくんに会いに行きたい。
デートのキャンセル以来、電話もメールも何にも無くて。
お互いに意地の張り合いをしてたけど、こんなことになっていてもアツシくんからの連絡を待つ私…
嫌いになんか、なるわけないのに。
いつもみたいに、へらへらしながら
「やーよい、ちゅわん」ってツンツンして欲しいのに。
アツシくん……大好きなの。
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