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「進んでるかぁ?」
ペットボトルを二つ手にして、笹野は会議室に顔を出した。
「ごめんね、平岡さん…
どうしても断れなくて」
「いえ。こちらこそ、忙しいのに時間をさいて貰って…」
笹野にはキラキラ眩しい笑顔を浮かべて話す。声のトーンも若干ぶりっ子じゃないのか?
「中野、後頼むわ。昼過ぎには戻れるから」
「ああ、気をつけて」
パソコンの横にペットボトルを置いた笹野は、甘いもん買って帰るよ、と弥生ちゃんに手を振った。
会議室にパソコンを持ち込み、セッティングの最中に笹野は営業先に呼ばれた。この気まずい空気の中で二人にさせられるとは…
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