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小さな決心をして、ドアを開けた。
ツヤツヤと柔らかく輝く後ろ髪。
ピンと伸びた小さな背中。
「えっと…
わからなかった所は、なかったかな?」
膝に置いた指先を見つめる平岡さんに声をかけてプリントアウトした見積りをテーブルに置いた。
「中野さん…」
「ん?なあに」
カールした長い睫毛がまばたきするたびに揺れる。
「ああいうの、やってるんですか?」
一点を見つめる横顔は真剣だ。
ん、ああいうの?
眉を寄せて聞き返そうとした俺に、更に口を開いた。
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