キルブレイン

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当然のように、ゲームを手に入れた俺は、ブレインドライブの説明書を熟読した上で、ゲームを起動した。   ヘッドホン左側部の電源ボタンを押すと同時に、目の前は暗転し、やがて真っ白に染まった世界が俺の視界全体を覆った。おそらく、今、俺の脳をブレインドライブが読み込んでいるのであろう。このゲームは脳を読み込み、解析した上で開始する設定になっている。主に、脳の中にある記憶情報を読み込み、ゲーム上のキャラクターの姿・形を本人と同様の姿・形になるようにゲーム上で自動的に作成を行っているんだ。同時に、IDやパスワードの入力の代用として脳の認証も行っている構成となっているはずだ。   直ぐに俺のゲーム上での体は作られ、俺の視界には俺の手や体、足が映る。細かいホクロの位置まで完全に再現している。   しばらくして、白い世界に一つの小さな表示枠が出現した。 プレイヤー名:能吏高志 初期配布装備:日本刀 ゲームをプレイしますか? YES OR NO   注意:ゲームをプレイする場合、YESの文字に触れて下さい。プレイしない場合はNOの文字に触れて下さい。NOを選んだ場合、強制的にシャットダウンし、二度とゲームをプレイできなくなります。   俺は迷いなくYESの文字に触れた。   YESの文字に触れた瞬間、表示枠に表示されていたYES以外の文字が消え、その文字が金色に輝き、くぼみ、透過していった。   そして、新たに表示枠が出現したと思うと、ブレインコードの詳細説明らしき文字列が表示枠に表示された。   ブレインコードの説明書が付属されていなかった為、俺は、まじまじと、その説明文を読み進めていった。
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