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凛「家、引っ越すなら一人で探すから」
居心地が悪くなってつい意地を張った。本当は不安で仕方ないのに。
一呼吸置いて返事が来る。
快里「何かあったら言えよ」
凛「…ん」
いつもの優しい言葉も、今のオレには物足りなかった。
親の口から直接聞くまでは確信持てないし、持てたとして、オレは一人で家を見つけられるのか。
(どうしよう…すっげー心細い)
でもこんな情けない気持ち晒すのは、男のプライドが許さなかった。
相手が快里でも。
いや、快里だから。
オレの弱いとこいっぱい見せた快里に、少しでも強くなったオレを見せたくて。
こんなつまらない意地を張った。
よいしょと立ち上がると電柱から紙が剥がれ落ちた。真っ白の面がオレの目に映る。わざわざしゃがんでめくるほど興味は沸かなかった。
今夜は戦いだ。
そのまま帰ることにした。
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