2人

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携帯を恐る恐る手にとってメールボタンをおす。 *黒髪の俺もイケメンだから明日腹すえて保健室来い* 「…これだけ?」 ちゃっちゃかメールの文章をうつ。 *伊藤くんの黒髪、想像出来ないからこそ明日楽しみにしてますよ* ♪♪♪~ あの人…1分しないうちに返信が返ってきた…。 *ちなみに黒縁眼鏡もかけてやるよっ* *それで似合ってなかったら大笑いですね* 「ふんっ」 何だか笑みがこぼれた。 携帯をベッドに放り投げて、問題用紙を見た。 とにかく、今は勉強しなくちゃいけない。 次のテストでトップをとるためにも 慶帝大学に一歩近づくためにも 今の私がやることは効率よく勉強することしかない。 …………………………… 「今日も行くの?」 3時間目の休み時間、教室を出ようとしたら凛子ちゃんにそう聞かれた。 「え…うん。」 「私、いつも同じ時間に教室を出て行く真琴ちゃんが心配で。」 「保健室だから大丈夫だよ。」 そう言って時間がないことを理由にいそいそと教室をでた。 悪いけど、私にはなんだか時間がない。 保健室の前まで来ると深い深呼吸をした。 「毎日来るのも良い度胸よね。」
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