55人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺、結構人気あるんだぞ?」
「へえ。」
「誘ったら断る女子なんて今までいなかったんだよ?」
「いるじゃないですか、ここに。」
「もう、俺。こんなに拒否されたり否定されるの初めてで…」
「傷ついちゃったんですか?」
伊藤龍之介はニッコリ笑って悪魔の一言。
「闘争心沸くっていうか…、いっそう手に入れたとき燃えるんだろうなって笑」
私は目を見開いてつい後ずさりしてしまった。
この人…、
思いっきり楽しんでるじゃん…。
むしろ、条件飲むのを先延ばしにするほど、
危険なんじゃないかと…このとき私は悟ってしまった。
あ…、
でも…。一生条件飲まなきゃいいのか?
いや!!それはそれで一生慶帝大の推薦がもらえなくなる。
「なに、どうした?そんなむすっとした顔して!!」
…あなたのせいなんですけど。
どう断ち切ろうか…、この悪循環。
どう乗り切ろうか、この山場。
「…なんでもないですっ!!」
時計を見るともう授業が始まる時間。
「とにかく、授業行ってきますからっ授業出るまで何回も着ますからね!!」
大声張り上げて怒鳴ってベッドのカーテンを閉める。
そのカーテンの向こうから笑い声が聞こえるのは気のせいか…?
最初のコメントを投稿しよう!