2人

2/40
前へ
/40ページ
次へ
「俺、結構人気あるんだぞ?」 「へえ。」 「誘ったら断る女子なんて今までいなかったんだよ?」 「いるじゃないですか、ここに。」 「もう、俺。こんなに拒否されたり否定されるの初めてで…」 「傷ついちゃったんですか?」 伊藤龍之介はニッコリ笑って悪魔の一言。 「闘争心沸くっていうか…、いっそう手に入れたとき燃えるんだろうなって笑」 私は目を見開いてつい後ずさりしてしまった。 この人…、 思いっきり楽しんでるじゃん…。 むしろ、条件飲むのを先延ばしにするほど、 危険なんじゃないかと…このとき私は悟ってしまった。 あ…、 でも…。一生条件飲まなきゃいいのか? いや!!それはそれで一生慶帝大の推薦がもらえなくなる。 「なに、どうした?そんなむすっとした顔して!!」 …あなたのせいなんですけど。 どう断ち切ろうか…、この悪循環。 どう乗り切ろうか、この山場。 「…なんでもないですっ!!」 時計を見るともう授業が始まる時間。 「とにかく、授業行ってきますからっ授業出るまで何回も着ますからね!!」 大声張り上げて怒鳴ってベッドのカーテンを閉める。 そのカーテンの向こうから笑い声が聞こえるのは気のせいか…?
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加