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…はあ…。 最近、やっぱりあの人に振り回されてる。 うーん…、 いっそ、慶帝大の推薦諦めるか…。 そしたら、生活がだいぶ楽になる。 苦しめられずに済む。 …でも なんか納得いかないし、引き受けた以上最後までやり切るのが私のモットーだ。 放課後、図書室で勉強しながら考えた。 家に返って勉強しても最近、全然集中できない。 ここはゆったりした時間が流れてて居心地がいい。 私のとっても好きな場所だった。 「いつも、ここで勉強してるの?」 私以外誰もいないはずなのに 誰かに話しかけられた。 声の聞こえたほうに顔をあげるとそこには綾瀬くんが立っている。 「あ…綾瀬君。」 「邪魔しちゃったかな?」 「えっ!!全然そんなことないです。」 そう言うと綾瀬くんは独特の爽やかで落ち着く雰囲気を放ちながら私の目の前の席に座った。 「どうして、ここにいるの?」 綾瀬くんは、私の色ペンを筆箱からとっとくるくると華麗にペン回しをし始める。 そんな技、どこで覚えてきたの?と聞きたくなるくらい彼のペン回しは高度な技を完璧に回した。 「俺、図書委員なんだ。」 「え、意外。生徒会だとばかり…」 「ははは、よく言われるよ。」
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