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綾瀬くんみたいな人といると物凄い落ち着く。
というか、綾瀬くんと図書室の雰囲気が絶妙にマッチしてて見てて和む。
ついなんだかうっとりてしまった。
「井上さん、頭良いよね。今度俺、勉強教えてもらおうかな…?」
ニッコニッコで向日葵みたいな笑顔を私に向けた。
「私、知ってますよ!綾瀬くん。かなり頭いいですよね。」
「ははは、井上さんには負けるよっ」
「そんなことないですよ、私が教わりたいくらいです」
ペンをぎゅって握って力強くいった。
本当は慶帝大学の…
推薦のことを考えないぐらい
センター入試で
100%の合格圏をほこれるくらい
頭が良くなりたい。
そしたら…、
そしたら…。
毎日保健室に行かなくてもいいし、あの無茶苦茶な条件のことで悩まなくていい。
最近、伊藤龍之介のことばっか考えてて
正直、調子狂う。
「そんなに思いつめたら、全部楽しくなくなるよ?」
「…え。」
彼は珍しく真剣な顔で私の顔を見つめてる。
「なんか知らないけど、井上さんはいつも時間に終われて切羽詰まってる。」
…切羽詰まってる?
そんなこと初めて言われた。
余裕がないのは十分分かってたけど、
そんなこと言ってくれる人、今までいなかった。
綾瀬くんには、なんだか分からないけど総てを見透かされる気がする。
私が鈍感だからかなあ…?
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