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「ほ…本当ですか?」
「うん、本当。」
顔が熱くなって下にうつむく。
…なんだか、とっても恥ずかしくて何て返していいか分からなくなる。
「誘ってくれて、ありがとう。」
「うん、そう言ってもらって良かったよ。」
チケットを手にとってぎゅっと握る手の力を込めた。
なんだか…ー
とっても嬉しい。
「お前、顔にやついてんだけど。」
次の日の3時間目の休み時間。
もちろん、お約束ごとのように保健室のベッドの前で仁王立ちしてる。
「にやついてなんかいませんよ、気のせいです。」
「いや、ニヤニヤずっとしてるから。」
「そんなことないですって」
実は昨日からにやつき気味。
チケットを貰ったときから遊園地が楽しみすぎてたまらない。
お化け屋敷も入りたいしジェットコースターにも乗りたい。
チケットを取り出して、また顔が緩む。
いや、だれかと遊園地なんて…
遠い記憶すぎて覚えてない。
だから、なおさら楽しみで楽しみで。
「ニヤニヤ顔の原因はこれかっ!!」
「ああ!!返してくださいよっ」
伊藤龍之介はいとも簡単に私からチケットをうばった。
「ふーん、遊園地に行くからニヤニヤしてたわけ?誰といくの?」
「あなたには関係ないです。」
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