教室の彼

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中身が、少しずつだけだけど変わってきてる気がする。 それはただ、前よりもこの人のことを知ることができたからじゃないかな……? 「井上!目の前の伊藤ばっか見つめてないで黒板を見ろ。」 榊原先生に注意されて私は目を見開いた。 「………えッ。」 初めて授業中に先生に注意されたショックと目の前の伊藤龍之介が私を見てにやにやしているもんだからいろんな感情がこみあげてきた。 まわりを見るとクラスの人も私を見てにやにやしてる。 「みッ…見てません。」 精一杯の否定だった。 こんな恥ずかしい想いは初めてで顔真っ赤になったことぐらい自分でも分かった。 「俺的にはずっと見てもらっててもいいんだけど?」 後ろを振り返り不敵な笑みを浮かべて伊藤龍之介は言った。 「もう!一生前向いてて下さい!!」 手で顔を覆ってうううとつぶやいた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・
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