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「あの…先生。」
「なんだ??」
一瞬考える。やっぱり駄目だ。
「いや、何でもないです!来年楽しみにしてます!」
そう言って急いで教室へ戻った。
…この会話を伊藤龍之介が聞いてるなんてこのときは知らずに。
私はのうのうと教室に入って知らず知らず知らずのうちに彼を探した。
「……いつもなら、しつこいくらい待ってるのにおかしいの。」
別に彼氏彼女じゃないんだし当たり前だ。
むしろ待ってるほうがなんかおかしい。
それに納得して私は教室から出た。
靴箱まで行くとあっと声をかけられた。
その声に振り返る。
「あ…綾瀬くん。」
「井上じゃん。久しぶり!」
笑顔で話しかけてきてくれる彼に癒される。
もうそりゃあ、普段からあんな血の気が多い人が目の前にいると綾瀬くんが天国から召された天使に見えてくる。
……目の錯覚?
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