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「あッ。そう言えば伊藤君見た?」
「え、伊藤?さっき2階ですごい形相してるところなら見た見たけど?」
「……2階?」
私のいた図書室も2階にあったんだけど……。
すごい形相?
「伊藤になんか用でもあるの?」
用…??
そう聞かれたら用なんてない。
何で私は彼を探してるんだっけ?
「まあ…ちょっと伊藤くんに用があって…。」
私は何で、綾瀬くんに用があるなんて嘘をついたのだろう。
彼を探してる理由は…ただいつもしつこいくらい私にくっついてくるのにいきなり姿が見えなくなって不安になってるから?
……不安?
私が何で不安になる必要があるの?
「どうした?井上?」
綾瀬くんの声に我に返った。
「あ、ううん。伊藤くんの用は明日でもいいや。」
「そう?駅まで一緒に帰らない?」
笑顔で話しかけてくる綾瀬くんを見るとなんだかほっとした。
「うん。」
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・・・・・・・
・・・・・・・。
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