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ポカーンとしてた滝波先生だったけど咳払いをしてHRを始めた。
…でも、この人。
授業ついてこれるの?
半年間、絶対勉強してなさそうじゃん。
「で、1限なに?」
「数学です。」
「ほ~。」
「絶対授業ついてこれませんよね。」
「いや、どうだろう?」
自分のことなのにまるで他人事のような口振りで言い放った。
周りの生徒は奇妙に伊藤龍之介と私を見てこそこそと話している。
…って、普段クラスにいるのになんで私まで変な目で見られてるの?
「俺ってそんなに珍しいか?」
視線に気づいた彼が私に軽く問う。
「当たり前ですよ、第一。このクラス入るの初めてでしょう?」
「そりゃそうだわ、俺。今、天然記念物並みに珍しいわ。」
「いや…ちょっと意味わからない…。」
話しているうちに数学の担当の先生が教室に入ってきた。
先生はクラス中を見渡して伊藤龍之介を見て止まった。
「あ、伊藤じゃん」
「よ、榊原。」
うちのクラスの数学担当の先生は一見体育の先生に見える。
体育会系…って感じ。
「榊原先生と交流あったんですか!?」
「去年の俺の担任。」
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