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…なんか初めてだな。
授業の前にこうやって人とわいわいするのは。
「…どうした?」
「え…あの。あなたと一緒にいると初めてがいっぱい経験できます。」
伊藤龍之介はニヤッと笑って私に耳打ちした。
「まだ…気持ちよくなれること…経験してないだろ?」
「……。」
「はは、赤面してる。」
「結構ですよ!!」
そう言い払って下を向いた。
今…私
嫌じゃないとか思わなかった?
なんかの勘違いだ。
そんな自分。ありえないッ!!
ありえないありえないありえない
その言葉が私の頭を旋回する。
ようやくチャイムがなって授業が始まった。
たしかに保健室に行く手間は省けたし、かなり気が楽になった部分があるけど……。
この人が目の前にいたら……
絶対授業どころじゃなくなる。
何でこんな危険極まりないことに気づかなかったのだろうか。
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