教室の彼

9/20
前へ
/40ページ
次へ
「今、授業中ですよ?」 ついまじめな顔でまじめな声のトーンで言ってしまった。 「お前はわかってねーなー。」 「何がですか?」 「俺は、黒板とか数学とか榊原じゃなくてお前に興味があんの。」 「…。」 つい目を見開いてしまう。 心臓がぎゅうっとはねた。 いや/// だまされちゃいけない。 私に興味があるんじゃなくて女の体に興味があるだけんなだから。 「だまされませんよ、」 「…は?」 「あなたは、私に興味があるんじゃなくて女の体にしか興味ないんですよ。」 伊藤龍之介は眉間にしわをよせて私を見た。 「お前、まだそんなこと思ってんの?」 「多分。一生思ってると思いますけど?」 「…まったくわかってねーなー 。」 そう言い残して前を向いてしまった。 ……結局前向くんだったら最初から前向きなさいよ。 はあ、とため息をついて目の前を見つめた。 本当にであった時の伊藤龍之介とは変わった気がする。 まあ…髪の毛の色のことも若干あるけど。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加