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口をゆっくり開けて、舌で自分の唇をなぞった。
鉄……血の味がする。
殴られたところが切れて血が出てるのか…。
スカートのポケットから佐野君は私の携帯を勝手に取り出すといきなりボタンを操作し始め
た。
「……何するんで…「うるせえ、ちょっと黙ってろ。」」
携帯が点滅したのに気づく。
カメラ…この人、カメラとろうとしてるんだ。
「こっち向け。」
冷酷な佐野君の目をつい見てしまった。
なんて、冷たい目してるんだろ。
「いいね、なんか燃える。」
カメラを撮り終わったのかと思えばまた何か操作し始めた。
携帯を自分の学ランのポケットにしまったのかとおもいきや今度はまたゆっくり私に近づいてくる。
「今から面白くなるよ。」
そう言い微笑むと自分の携帯を取り出して誰だかわからない相手に電話をし始めた。
「あー俺、そろそろ来て。」
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