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「まあ…そうだけど。」
基本的に学校を休まない私は、熱を出したとか体調が悪いわけでもないのに学校を休むのは気がひけるというか…
罪悪感でいっぱいになる。
心臓に手を当ててため息をついた。
でも…、確かに
明日、明後日に学校に行ける気分にはならない。
私にも顔に切れ傷や青あざがあるし、学校に行きにくい。
口を広げると、殴られて切れた唇の傷がまた広がりそうな気がして怖い。
「龍之介…顔とか体の傷大丈夫…?」
「俺はまあ、慣れてるからなあー。このくらい別に平気だけどなっ、俺じゃなくて真琴はどうなんだ?…大丈夫なんて言わせないけど。」
手で顔の傷を触る。
龍之介ほどではないけど外傷が派手なのは確かだ。
「痛い…。」
「見るからに痛そうだもんな。帰ったら風呂入った後消毒してやるよ。顔に傷が残ったら俺の責任だ。」
「私も龍之介の顔、消毒してあげる。」
「おう、サンキュー。」
会話を交わして、私は運ばれてきたピザを食べる。
授業…、ついていけるかな?
何故かいろんなことが不安になってきた。
ファミレスを出ると、龍之介の家の近所の綺麗な桜並木のある公園を歩く。
ここの桜の木は、他の桜の木と違って、満開のシーズンが少し遅い。
「夜桜ってこんなに綺麗なんだね…。」
さっきまで抱いていた不安が全部吹っ飛んでしまうくらい、美しかった。
満開のシーズンも多分今週で終わり。
来週には…、だんだん緑の葉がちらついてくるのだろう。
「多分…、今満開なのはここの桜だけだろうな」
龍之介はそうぽっそり言って、夜桜を見上げていた。
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