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夜の海-2
両手で俺の片腕を掴んでぐんぐん引っ張ってくる。
…見かけによらず…、ふにゃふにゃしといて力あるんだな、コイツ。
「わかったって!だぁ!引っ張んなっ!」
「じゃあ早く家に入ってよ!」
近所迷惑だろってくらい大声だしてる俺たち。
真琴に諦める様子がなく俺がここで粘ったら真琴の両親が帰ってくるまで続いてしまう。
「ったく、本当に頑固で強情張りだな。お前は!」
「龍之介に言われたくないよ!」
口喧嘩をしながらも井上家のドアを開け、玄関に足を踏み入れた。
…すっごい真琴の臭いする笑
コイツから臭う柔らかい臭いって家庭臭なのか。
そう思ってニヤニヤしてると、真琴に不審者扱いされた。
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