ライバル

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ライバル

「はぁ…っハアッ…ちょっ!待って綾瀬くん!」 とてもじゃないけど、綾瀬くんの足の速さについていけなくて、待ったをかける。 遊園地を出て、500メートルほど行くとタクシーが並ぶ場所がある。 そこまで走ったものの、運動部でない私の体力は老後のおじいさん並。 どうも激しい運動についていけない。 「すいません、シロガネ3町目の伊藤までお願いします。」 1台のタクシーに乗り込み、綾瀬くんは簡単に行き先を告げた。 前にも不思議に思ったけどどうやら龍之介の家は有名らしい。 そりゃあまあ…。伊藤グループだから当たり前だけど。 車に揺られる中、私たちはただひたすら黙り続けている。
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