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「お坊ちゃま、着きました。」
「ありがとな、吉野ちょっと待っててくれ。」
車から降りた私達の前には大きくそびえ立つ高層ビルがたっている。
高層ビルなんて立ちはだかるのはよく見るけど中には入らないし、なんかまたかしこまったところなのかなって少し緊張してきた。
「目的地ってここ?」
「おう、ここの12階だっけかなあ…。」
記憶が曖昧なのかそう呟きながらも私の手をとり引っ張る。
金持ちはこんな高層ビルに普段、用事なんてあるのか。
「行くぞ、」
「え、あっ…、うん。 」
夕焼けがビルの窓に反射して照りつける。眩しい、色んな意味で眩しすぎる。
真っ赤な空が上に少しだけ広がっていた。あんまり旅行とか行かないから分からないけれどもやっぱり都会の空って狭いのかな。ビルとビルの隙間にちょっとしか見えない。
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