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決断の時
空が赤いような、オレンジ色のような太陽が揺らぐ夕方。
龍之介と2人きりの学校の帰り道、
何故だか2人の会話が少ないように感じた。
「昨日のホテルに今も泊まってるの?」
珍しくゆっくりとぼとぼと歩く龍之介を見ながらどうしたのかとふと疑問に思った。
「そう、昨日のホテルに宿泊してる。」
龍之介は何だか考えごとをしてるように見えた。
目を少し細めて下を向きながら何かについて必死に考えてる。
「何か考えごと?」
ありのまま、直球に聞くと、龍之介は立ち止まった。
もうすぐ駅だというのに何故立ち止まるんだろ。
龍之介は無機質で冷たいアスファルトの一点をずっと見つめ続けている。
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