決断の時

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何がおかしいのか、私はあまり分からなかったけれども 龍之介が言いたいことくらい分かる。 「脱出したことが、バレてない…とか?」 「その可能性はもうないに等しい。」 龍之介は目の前を見るとまた歩き出す。 私もその歩幅に合わせてゆっくり歩き出した。 「もっと普通の家庭に生まれたかった。」 ボソっと呟いた龍之介の言葉は、私の心にチクリと音を立ててとげのように刺さった。 私が別に悪いことをしたわけじゃないのに。 「息子を監禁する親なんて、親じゃねーよな。 まあ、あの糞親父は俺と全く似てないし 噂で聞く限りだけど……ー 多分、本当の親じゃない。」 、
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